国際連合憲章に従った諸国間の友好関係及び協力についての国際法の原則に関する宣言
会議設定
議題:国際連合憲章に従った諸国間の友好関係及び協力についての国際法の原則に関する宣言Declaration on Principles of International Law concerning Friendly Relations and Co-operation among States in accordance with the Charter of the United Nations
議場:友好関係特別委員会
設定日時:1969年8月18日~
使用言語 :公式討議:英/日 非公式討議:日 成果文書:英/日
会議参加国数(予定):15か国
募集人数(予定):30人
会議フロント紹介
会議監督:山上陽(日吉研究会・横浜国立大学経営学部4年)
議長:山口実希(四ツ谷研究会・津田塾大学総合政策学部4年)
副議長:重永剛介(駒場研究会・東京大学法学部4年)
何山(日吉研究会・慶應義塾大学経済学部4年)
報道官:村上和(国立研究会・東京外国語大学国際社会学部4年)
秘書官:藤森安美(日吉研究会・横浜国立大学経済学部4年)
竹内日菜(日吉研究会・横浜市立大学国際教養学部3年)
参加者へのメッセージ
ホームページを読んでくださっているみなさん、まずはありがとうございます!友好関係原則宣言会議の会議監督を務める山上と申します。
当会議は、国連憲章の中でも重視される原理原則を扱う議題ということで、模擬国連会議としてはとても王道的なものです。きっと議題に惹かれてこの広報を読んでいる方も多いのではないでしょうか。しかし、僕自身は、皆さんが当会議への参加を決めるに当たって、議題だけを見るのではなくコンセプトにこそ注視してほしいと思っています。
当会議のコンセプトは、「”MODEL” United Nations」です。ちょっと香ばしい匂いがしますね(笑)。とはいっても、意味することは至極単純で、今までの模擬国連の慣行やセオリーを、参加者全員で一度見つめなおしてみよう、というものです。模擬国連がどのような要素によって構成されているのか。会議がどのように進むのが適切で、今までのセオリーは(少なくともこの議題において)適切か。適切であっても、他に最適な設計はないものか。間違っているとしたらなぜそのようなセオリーが定着するに至ったのか。このような構造化を現実の国連に沿って行いたいと思ったので、当会議では国連の要素を構造化して検証する「モデル」の考え方をModel United Nationsに重ねて”MODEL“ United Nationsというコンセプトを設定しました。
国連の要素を構造化して検証する試みは、多くの先人の挑戦により、経験や慙愧が蓄積され続け、一方で未だに完成を見ていないテーマでもあります。
会議において、それを構成するフロント・デリ・議題・設計などの諸要素について、全てが同じであるという状況は二度と出現しません。そのためこのテーマについて帰納的な結論を効率よく得ることは難しいのです。それでも、このテーマに全ての参加者が真摯に向き合うことは、少なくとも参加者にとって、これまでの会議、及びこれからの会議における模擬国連のあり方を考える大きな機会になります。そして、当会議を経験することにより自らの内に生まれるであろう新たな疑問を通じて、さらなる仮説検証を繰り返してほしいのです。
再度強調しますが、この会議において僕が伝えたいことはこのコンセプトにこそあります。
ご検討のほど、よろしくお願いいたします。
会議監督 山上陽
会議コンセプト
"MODEL" United Nations
この会議のコンセプトは、「国連の構造化」です。
模擬国連は、Model United Nations の邦訳です。
その原点を探ると、1920年代の模擬国際連盟にさかのぼることができます。その時代に行われていた取り組みがどのようなものかを正確に窺い知ることはできませんが、おそらく現在の日本模擬国連とは全く様相が異なることは確かでしょう。
現状の模擬国連を見るに、多くの人が「強いデリとはなにか」「正しい会議とはなにか」を模索しているように見受けられます。つまるところ、模擬国連をゲームとして捉え、自己の利益を最大化することを目的として、そのためにはどのような会議進行がふさわしいか、どのような文言がふさわしいか、どのような交渉を行うことが適切かを考えている人が多いように感じます。確かに、現象として、実際の国際会議において議論形式や手続についての議論や文言の細かな指摘が存在していることは確かです。そしてそれが自己の利益を最大化することに関与する場合もあるだろうとも思います。
しかし、実際の国際会議で行われている交渉は、より切迫した、マージナル(微妙)な国益のやり取りを含んでいるのではないでしょうか。論理を振りかざし絶対的勝利という旗を掲げよう、強者の喉元を搔っ切ってやろうというような華々しい戦ではなく、政治という茨で雁字搦めになりながら、どのように小さな国益を守り、または勝ち得ていくかを考えていくというような泥臭い戦場なのではないか、と思うのです。上記の現象は、そのような必死さから生まれたものなのではないか、と夢想してしまいます。
この会議では、「強くありたい」「本質を知りたい」といったデリ目線の欲求にはあえて寄り添わず、国際連合を皆さんと一緒に、よりリアルな「模擬国連の構造化」をしたいと考えています。
その会議だけで議題に決着がつく、スピーチの国数を1,2ヵ国に限定する、モデで合意を強制するといった模擬国連特有の慣例に縛られることも、しかして、フロントの裁量に大きく依拠した独自の規則を強制することもありません。
4日間で、議論しうる範囲を、真摯に、そして強かに『模擬』する。
そんな会議が作れたらなと思います。
議題の解説
本議題では、「国際連合憲章に従った諸国間の友好関係及び協力についての国際法の原則に関する宣言」、いわゆる「友好関係原則宣言」の起草を目的とした特別委員会での議論を扱います。
時代はアジア・アフリカを中心に多くの新興国家が誕生した1960年頃に遡ります。彼らは西洋中心・植民主義的な国際秩序の崩壊あるいは変化を強く望み、この動きは東欧諸国や「平和共存」路線を推進していたソ連などの協力もあり一層高まりました。
1962年、第16回総会においてはこれらの国々の一部が来季総会の議題に「諸国間の平和共存に関する国際法の考察」という仮議題を加えることを提案しました。西洋諸国は、このような東欧・非同盟諸国の要求は本質的には政治的な問題であり、国際法の真の発展には適切に寄与しないとして、同議題を「国連憲章に従った諸国家間の友好関係と協力」に修正することを提案し、総会はこれを可決しました。
そして翌年63年から64年にかけての議論を受け、総会は具体的な原則について専門的に議論する特別委員会の設置を決定し、同委員会は以下の7つの具体的原則について審議することとなりました。これが今回模擬する議場の成り立ちとなります。
①武力不行使原則
②紛争の平和的解決原則
③内政不干渉原則
④協力義務原則
⑤人民の同権及び自決の原則
⑥主権平等原則
⑦義務の誠実履行原則
64年より毎年特別委員会での議論は続けられ、67年までに「協力の義務の原則」「義務の誠実な履行の原則」「紛争の平和的解決の原則」「主権平等の原則」について大幅な合意が形成されています。しかし、残る3原則「武力不行使の原則」「人民の同権及び自決の原則」「内政不干渉の原則」については、各陣営の中で大きな対立が見られ、70年の委員会まで苛烈な議論及び交渉が繰り広げられました。
本会議では、本格的な採択に向けた進捗が求められる、69年以降の議論を模擬していただくことを予定しています。
論点の解説
原則ごとに以下の二つの大論点ごとに分科会を予定しています。デリの皆さんはペアで会議に参加し、ペア内で各自分科会を選択していただきます。
大論点1 武力不行使原則(国家は、その国際関係において、いかなる国の領土保全または政治的独立に対する武力の威嚇または行使も、または国際連合の目的に反するその他のいかなる方法によっても、これを慎まなければならない義務に関する原則)
この大論点では第一原則の武力不行使原則について議論します。国連憲章2条4項は戦争だけでなく戦争以外の武力行使についても禁止しました。本会議では、2条4項ならびに関連する条文を参照しながら、その対立の激しさゆえに1969年時点でも合意に至っていない以下の論点群を扱います。
◯「武力」の定義に関する問題
・本原則と経済的/政治的その他の形態の圧力との関係
◯武力行使と自決権に関する問題
・従属地域の人々に武力行使を控える国家の義務
・植民地支配に対する武力を用いた抵抗ならびに国家による支援の合法性
◯武力行使と領土に関する問題
・国際境界線侵犯の禁止義務
・軍事占領と不法な武力による威嚇または武力の行使によってもたらされた事態の不承認
不行使原則が禁止する「武力」とはそもそも何を指すのか、どのような事態において武力行使が合法と見なされるのか、武力行使が起こってしまった時の対処など、扱う論点数を制限しつつも武力不行使に関する原則について幅広く議論します。
大論点2 内政不干渉原則(憲章に従って、いずれの国の国内管轄権内にある事項にも干渉しない義務に関する原則)
この大論点は第三原則の内政不干渉原則について議論していただきます。これは1965年に採択された総会決議2131での議論を踏まえ更に発展させようとしたものです。総会決議2131以降も議論が必要だと判断された争点のうち、1969年に至っても合意されていない論点を取り扱います。
◯「干渉」の定義に関する問題
・規律対象行為の明確化(強制、関与の区別等)
・「国内管轄事項」の解釈
◯適法性判断基準に関する問題
・内乱への干渉(内乱の定義を含む)
・体制転覆を目的とした破壊活動への干渉
・植民地支配への対抗及び自決
そもそも「干渉」とはどのような行為を指すのか、どこまで具体的に文言として記載するべきなのか、「干渉」の違法性はどのように判断されるのかなど、上記の論点をメインに適宜大論点1や自決権の話を交えつつ不干渉原則について広く議論を行います
国割
分科会形式が取られる可能性が高く、アプライ人数によって調整の結果一部または全部の国がペアデリになります。原則ペアでの応募を想定していますが、特殊な事情がある場合はぜひフロントにご相談ください。
以下の友好関係特別委員会参加国のうち、皆さまの国割希望及び会議のバランスを考慮したうえで、*印がついた国を含む15か国前後に割り当てられます。
Algeria
Argentina
Australia
Burma
Cameroon
Canada
*Chile
*Chechoslovakia
Dahomey
France
Ghana
Guatemala
*India
*Italy
Japan
Kenya
Lebanon
Madagascar
Mexico
*Netherlands
Nigeria
Poland
Romania
Sweden
Syria
*Union of Soviet Socialist Republics
United Arab Republic
*United Kingdom of Great Britain and Northern Ireland
*United States of America
Venezuela
*Yugoslavia
会議の特徴
議論範囲の設定「時間が足りない」模擬国連に参加していて、最も聞いた語句の一つです。 それもそのはずで、一般的な模擬国連で行われる議論は、実際(史実)のそれよりはるかに短い時間で行われなければならないからです。例えば、「安全保障理事会改革」という議題が総会で決定されたとします。各国は、会期の開催までに各レベルでの外交会合を重ねて決議案を作成しつつ根回しを行い、会期中においても決議案に対する議論と修正案の作成のための交渉を進めます。しかし模擬国連においてはそのような手段は取られません。一般的な会議では、着席討議による議論の構造に関する議論(いわゆる議論議論)を発散収束させ、またしても着席討議によって論点を議論し、そしてようやく文言を作成する、という展開になることが多いでしょう。このような展開は論理的には正しそうに思えます。しかし実際に議論してみるとわかる通り、例えば議論議論で決定した事項が最後までつつがなく進行することは稀で、どこかの交渉が時間を押したり、または時間に押されていい加減な交渉が行われたりします。 「議論の前提をそろえるために議論を起こし、交渉を行い、適切な決定を下す」 この一連の流れを、全ての模擬国連会議におしなべて適用することは過度な一般化だと考えます。会議監督やコンセプト、議題にはよりますが、私は意図しない形で終わりようのない議論を一つの会議にまとめようとする会議は好きではありません。適切な議論を行わせるためにある程度の時間・構造的な制限が必要な会議は、みなさんの想像以上に多いように思います。 史実の本議題においては、1962年から1970年という非常に長い時間と広い論点を取り扱っており、その全てを一つの会議に落とし込むことは非常に困難です。そのため本会議では、会議設計を議論の蓄積がある「69年以降」という時代設定とし、独自に議論内容を区切ることで、より詳細で柔軟な交渉ができ、かつ緊張感のある議場を創り出すことができると考えています。
対象とする参加者
大学模擬国連に参加し、興味を持っている全ての人が対象です。
その中でも特に、議題に興味ある人やコンセプトに共感してくださる人がいらっしゃいましたら、この機会を逃さずアプライしてくださると幸いです。