国際テロリズムに関する
包括的条約
会議設定
議題 :国際テロリズムに関する包括的条約(CCIT: Comprehensive Convention on International Terrorism)
議場 :国連総会決議51/210に基づいて設立されたアドホック委員会
設定日時 | 2002年1月28日〜2月1日
使用言語 | 日本語
会議参加国数(予定):20か国前後
募集人数(予定):20人前後
フロント
会議監督:中山創太(駒場研究会・東京大学法学部4年目)
議長:鹿子木渚 (駒場研究会・東京大学教養学部4年目)
報道官:工藤竜暉 (駒場研究会・東京大学法学部4年目)
秘書官:橘 駿人 (神戸研究会・神戸大学国際人間科学部4年目)
参加者へのメッセージ
(工藤)
こんにちは、報道官を務める工藤です。本会議は奇を衒った会議設計は無く、ごくシンプルなものとなっています。その分、国益設定や議論・交渉想定など一つひとつの作業を地道かつ緻密にこなすことが求められます。
全日では準備も含めそれなりにお金と時間がかかるので、それらを無駄にはしてほしくありませんし、むしろ何かしらの成長や課題を実感して年を越してほしいと思っています。ですので、皆さんが熱い想いをもって模擬国連に向き合った分、それが地力として還元されるような環境をフロント一同全力で整えていく所存です。
気難しそうな神メン4人がフロントに並んでいますが、実際にはそんなことはないので、当会議の掲げるコンセプトに興味を持った方は是非ともアプライをしていただければと思います。自分自身との”対話”、フロントとの”対話”、デリ同士での”対話”を通じ、悩み抜いて考え抜いて良い年末を過ごしましょう。皆さんとお会いできるのを楽しみにしています!
(橘)
こんにちは、この会議でセクを務める橘です。全日は1年間の締めくくり、集大成となる大会です。自分なりにできたなと感じること、まだまだだと感じること、大会までの一年間で得た多様な経験を踏まえ、更なる飛躍に向けて参加者全員が全力を尽くして挑む。大会の持つこうした特徴に「全日の面白さ」があるのではないかと思います。そして、その「面白さ」を作り上げる環境としてこの大会には6つの会議があります。各会議はそれぞれ違ったアプローチでその面白さを実現しようとしています。各会議において、扱う議題、参加者へのフォローなど様々な面で差異が見られるのはその反映として捉えられます。「面白さ」へのアプローチの異なる6つの会議があるなかで、この会議紹介のページを読みディレク・フロントの考えに共感してくれた方、是非ともこの会議へのアプライを検討してみてください。私たちフロントは、この会議で「全日の面白さ」を追い求めたいと思っていただいた方と共に、年末までの数ヶ月間全力を尽くして走り抜けます。何卒よろしくお願いします。
(鹿子木)
こんにちは、議長を務める鹿子木です。
今会議では、目の前の相手の意見や主張をその場で分析し、議題の理解や自分の利益と照らし合わせ、相手に響く最適な応答を与える、そうした行為の導く「対話」を存分に実践してほしいと考えています。そのような体験こそが、わざわざ数十人もの人員で役割分担して準備し、ある時一堂に会しぶつかり合う、「模擬国連」というイベントの醍醐味であると少なくとも私は思っているからです。さらに言えば、そうした「対話」という行為を試みる過程でキリキリとした緊張感を覚えながら必死に頭を回転させる、そのような楽しさを感じてほしいと思っています。
これは決して100%のアドリブを楽しんでほしい!という意味ではありません。会議当日のビジョンと議題理解を往復するような綿密な準備を重ねてこそ、当日の行動も議場に響くものとなり得るのだと思います。しかし会議が一人芝居ではない以上、想定と本番が完全に一致することはほぼない訳で、だからこそ当日の議場を改めて分析しながら「対話」を実現することが重要になるのでしょう。私も議長としてその手助けをできるよう努力しますので、それに共感してくれた方も、とりあえず会議で全力で考え動いて成果を掴んでみたい!という方も、ぜひ応募してくださると嬉しいです。
(中山)
こんにちは、会議監督の中山です。
この度全日本大会の会議監督を担当させていただきますこと、本当に嬉しく思います。
事務局の皆様、ご支援やご協賛していただいた個人・団体の皆様、日本模擬国連会員の皆様におかれましては、心から感謝申し上げますとともに、会議監督として今大会・日本模擬国連に少しでも貢献できるよう最善を尽くことをお約束させていただきます。
会議監督として伝えたいことについてはコンセプトや特徴解説などを読んでもらえればと思いますが、何より一番大切なのは、すべての参加者が学びと反省と思い出をもって会議を終えていただきたいということです。せっかく全日本大会という大舞台に参加するわけですから、参加者の皆様のこれまでの、そしてこれからの模擬国連道のなかでターニングポイントとなる会議にしてほしいというのが会議監督としての心からの願いです。
この会議の説明を読んで少しでも興味を持っていただいた方はぜひ、いくばくかのご友人を誘い、ことあるごとに本会議を喧伝しながら、アプライフォームから本会議名を探していただけると幸いです。1年の総決算であり翌年への昇華の時期でもある年末、決戦の有馬に思いを馳せながら、皆様との充実した全日本大会を心から楽しみにしております。
会議コンセプト
「対話 -dialogue; διάλογος-」
模擬国連とは、いったい何なのか?
よい会議とは、王道とは果たしてどのようなものであるのか?
そもそも何のために模擬国連という活動を続けているのか?
これらの問いはともすると答えが出ない/出すべきではないものであるかもしれないし、今まさに再構築の途上にあるのかもしれません。
しかしながら、あえて会議監督として会議の指針とするため、再構築の中に私が在ってほしいと思ういち意見として述べるとするならば、それは「対話」であるといえるのではないかと思います。
よくない模擬国連としてよく取り上げられるのが、各大使がまるで演説のように主張を羅列し、かみ合わない議論が展開される状態です。このような会議形態においてもはや「交渉」は存在せず、時として過度にゲーム的なテクニックが飛び交い、一方的な勝利(宣言)か急ごしらえの妥協品のみが残ります。
また一方でそうした議論を回避し、むき出しの国益と交渉、ミクロな文言のたたき合いが行われることもあります。一見前者のカウンターとしてのこの手法も、結果としては同様にお粗末な過程と成果が生まれるだけのように思えます。
こうした状態に共通しているのは、個々の意見や背景・構造に対する共通理解が存在しないこと、そして大使自身は協調・余裕の姿勢が無いかあるいは安直な宥和姿勢に逃げるかして共通理解を放棄していることです。
それを踏まえて私が仮説する「対話」とは、主張と意志の緻密な伝達とぶつけ合いを経て、単なる羅列でも形式的な合意でもないフィールドの共有を作り出すことで生まれる、対立しつつも理解している緊張状態のことを指します。
また妥協とは、本来こうした過程を経てようやく絞り出すように生まれるべきものであり、故に協力と対立の極限状態でのみ作り出されるのだと思います。
そしてこれは恐らく、実際の国際会議がより高いレベルで行っている営みではないのかなと考えています。
こうした対話が成立するのは言葉以上に極めて難しく、こう言われただけで実現するものでもありません。頭で考える⇒文字に起こす⇒整然と話し行動するとなるにつれ困難になり、1の言動をするためには100の思考が必要となります。
各国大使が自己の意思と利益に関して、対話の中でも揺るがないような解像度と密度を持った結論に落とし込む必要があり、前もって相手のいる議場全体の理解をなるべく進めておかなければなりません。
その中で戦略とは、あくまで上記対話の範疇の中で利益が最適に反映される数あるシナリオの一つであり、揺れ動く対話の中で方針となる軸が不可欠になります。
これが対話とその成立条件としての事前準備であり、本会議のフロントもこれを実現するために設計します。BGやタスク、メンターなどのツールによってフロント-大使間の、大使-大使間の前提理解を保証しなければならず、特にメンターのなかで我々フロントがまず「対話」を成功させなければならないと思っています。
さらに現状、模擬国連というコミュニティそのものに多様な会議=主張と意志が存在しています。私は、それぞれがひたむきさと情熱を失わず、また安易な価値相対主義に留まることなく、ぶつかり合いながら共通の理解を形成していく。そうした「対話」を行うことこそ、模擬国連という活動が持つ未開領域としての魅力であり、その魅力と質を維持し高める最良の道であると思います。
そして模擬国連を楽しむ皆さん一人一人が、慢心も自虐もない適度な緊張状態をもって、模擬国連を通じて等身大の自分やその課題と「対話」し、成長していくこと。これもまた舞台・手段としての模擬国連の特徴ではないでしょうか。
模擬国連会議や模擬国連という活動にある特徴や理想・魅力を語るうえで、「対話」とは重要な意味を持つのではないか。このように私は今回、会議監督の責任を持って示す方針を「対話」と結論いたしました。
議題の解説
近年、国家の安全保障に対する重大な問題の一つとしてテロリズムが問題視されてきており、国連はこれまで13もの個別条約を通じてハイジャックや爆弾テロなどを規制して来ました。
そして1996年、インドから一つの条約案が国連総会に提出されます。それが今回扱う「国際テロリズムに関する包括的条約案(Draft Comprehensive Convention on International Terrorism)」です。
【特徴①王道の国際法論】本条約の中核はズバリ、「テロリズムの定義」です。特に具体的な論点として現れているのは、①民族解放闘争はテロ行為に含まれるのか②国家によるテロリズム(国家テロ)を認めるべきかの二点が挙げられます。これらの議論の中で、民族自決権や国際人道法といった模擬国連的には割とベーシック?最頻出?な分野に取り組んでいただきます。
【特徴②緻密な条約作成】本会議はいわゆる概念系の会議です。一つ一つの文言には非常に深い利益と議論があり、緻密に文言と向き合っていく必要があります。またそれはすなわち、トリッキーな戦術や戦略ではなく、地に足着いた的確な議論と交渉、意思決定を追及できるというわけです。
【特徴③冷戦後の国際社会】本会議では冷戦が終結しており、従来の東・西・第三諸国の国際情勢から変化が生まれています。先進国と途上国、そして特に本会議では「イスラム協力機構(OIC)」を急先鋒の国々として、より現代に近い国際関係が味わえます。そしてもちろん、テロに関する情勢も非常に緊迫しています。アメリカやイギリスなどの西側諸国だけではなく、ロシア・中国を対象とした多様な形態のテロの発生、「アル・カイダ」を筆頭とするイスラム原理主義テロ組織の台頭、そして2001年9月11日、世界を震撼させる同時多発テロ事件が発生します。
論点の解説
いくつかありますが、主要な論点は以下の2つです。
①民族解放闘争はテロリズムを構成するのか?
いわゆる「民族自決権」に関する議論です。
従来の「第三世界諸国(途上国)」は、民族自決のための闘争はテロ犯罪ではなく、国際法上の基本原則として確立されているため、民族自決権を「不可侵の権利(inalienable right)」として確認するよう主張しています。
一方の西欧諸国を中心とする反対する立場の国々は、民族自決権の存在は否定しないものの、テロ犯罪の抜け道となる危険性や、法的文書としての本条約に政治的性格の民族自決権を追加することは望ましくないこと等を主張しています。
この議論では、民族解放闘争とテロ行為の違い、特に戦争法・国際人道法のなかでどのように認められるのかが重要なポイントとなってきます。
またイスラム諸国などが主張する背後にある「外国の占領地」、そしてパレスチナ問題など政治的な洞察も当然必要となります。
②国家によるテロリズムを認めるべきか?
テロリズムとは本来、特定の個人や集団などの非国家主体による行為が多く、国家はせいぜいそれを支援する主体としての位置づけが主流の、そして西欧諸国などの認識でした。
しかし本会議では、主にイスラム教圏の国々がアメリカやイスラエルによるパレスチナ・中東諸国への「国家テロリズム」を規制するよう要求しており、軍隊による活動もテロ行為の対象となるべきかといった問題にも波及していきます。
ここでも議論となるのは国際人道法などの国際法との関係ですが、政治的な判断も大きく絡む論点ではあります。
国割
coming soon...
会議の特徴
①緻密な「対話」を実現するための、全力議論(モデ・インフォーマルベース)
本会議ではとにかく議論に注力して取り組んでいただき、煮詰まった議論を実現するための様々な施策を講じていきます。
〇議長(鹿子木)の全力ハンドリング
そのためにまず、議長というツールの権限と能力をフルに活用し、正確かつ丁寧な議論を行うためのハンドリングをしっかりと行います。
単なる議場の議事進行役・司会者としての役割だけではなく、論点の整理、議論の目的・方法の主導、合意提案などそのポテンシャルをしっかりと発揮することで、確実に議論を価値ある内容へと導きます。
〇議論と交渉をつなぐツール
また議論を交渉につなげることによってはじめて、成果につながる価値ある議論といえます。
そのために議論での過程や成果を分かりやすく確認できるツールや、議論を反映した文言調整・作成などを行うための場を提供するほか、目的意識と解像度を当日会場にいるかのようなレベルまで落とし込むためのタスク・メンターを行っていきます。
〇発言内容の精密さの担保
加えて議場での発言や主張の、いわゆる国連大使としての正当性を、メンターやプレスなどを通じて適宜確認していきます。これは本来の国際社会において当然の共通理解とされる水準の妥当性を議場に確保し、嘘や非常識的な論理をある程度まで排除することで、レベルの高い議論を構築するためであります。
もちろん、弱いロジックを吐いたら却下!とかではないのでご安心ください!
②準備と反省、フロントサポートの充実
自分自身との、そしてフロントとの「対話」を実現し、会議に対して意味のある準備と今後にとって価値がある反省を行っていただきます。
〇「もう一人のデリ」による充実したメンター、個別レビュー
本会議は原則シングル制を予定しているため、適度な規模感のなかでデリ全員に対して、深く充実したメンターを行います。
フロント内で会議を一度開催するレベルまで各国大使への理解度を高め、ある程度の「解」を明確に持った状態で一人ひとりに向き合います。
そのためもちろん、レビューも個々人に合わせたものを行います。会議の評価と反省を明確にまとめ、次に生かす。このやり方を含めての経験を持ち帰っていただきます。
〇タスクの重要性
タスクはフロントからデリへ、会議準備の方針と型を伝える重要なツールであると思っています。
会議行動や最終的な成果から逆算した、具体性のある設問を設置するとともに、グラデーションや議論への対応を意識させるような文言タスクにも取り組んでいただきます。
ですのでどうか、タスクを必ず書いていただきますようお願いいたします...
対象とする参加者
①会議の型を学び、見つけ、会議に参加する
特に新旧メンの皆さんは、こういった経験はありませんか?
・準備を会議当日に何も使えなかった...想定外の議論内容・論点しかなかった...
・会議の中で自分も、相手も結局何をしているのか分からなかった...
・会議に参加できないから楽しくない...
・そもそも会議ってどうやるものなの?
上記の課題を持ちやすい新旧メンの皆さんこそ、本会議に来ていただきたい参加者です。(もちろん、老メン(やそれ以上)の方も歓迎です!)
上のような思いを少しでも持たれた方は、本会議で必ず今後の土台となる型を見つけ、そして必ず会議に参加しているという実感を楽しめるようになります。
デリ全員が会議で取り残されず、全員が目の前の状況に決断を下し、そして可能な限り行動に移す。本会議では意志を持った1つの行動を確実に行うための10の言語化、100の思考を本気でサポートします。
②議論という道具の使い道を得る
会議の特徴にもある通り、本会議は議論を全力で行ってもらい、その使い道を学んでいただきます。
結局議論は何のためにあるのか、モデ・インフォーマルというものはどう使えばいいのか、「議論を交渉につなげる」とはどういうことか。
本会議でこれらに対する回答を見つけ、今後の会議のなかで新たに一つ、「議論」という武器を使えるようになりましょう!
③「対話」を実現したいすべての人へ
カオスの中不完全燃焼で終わる会議、かみ合うことなく終わった会議、そういった経験に違和感を持たれたことはないでしょうか?
本会議はそれらへの課題意識をコンセプトに置くわけですが、もちろん、議論や交渉がいつも秩序だっているのが正しいわけではありません。
しかしやはり私は、「相手のいうことをちゃんと聞いてちゃんと返す」とか、「平凡で正確な言動を焦らず適切に重ねる」といった当たり前の初心に立ち返り、その結果としての秩序と対決がある対話の議場を経験して初めて、発展的な重馬場議場に挑めるのだと思います。
こうした会議に参加し、あるいは協力したいと思っていただける方がいれば、ぜひアプライを検討していただけるとなにより嬉しいことだと思います。